悲願エメラルド採集
グーグルマップに記した池を目指す。
車を停めてから
徒歩にて山道を歩き、
杉林を越えて辿り着いた池は

素晴らしい景観ながら
水面に大きな波紋を作り上げる
鯉が現れ、落胆する。
鯉は全てを飲み込み
水草までも喰い尽くす為、
ナミゲンゴロウどころか
水生昆虫の居場所は無い。
子供達の肩を叩き、
車へと戻る。
車に到着すると
長男が一言漏らした。
「お父さん、今日は採れるよね?」
私にその自信は無く、
前を向くしかないと伝え、
男はそう簡単に諦めてはいけないと
アクセルを踏み込んだ。
このままでは今回も
ボウズ決定必至となる。
大きくポイントを変え、
陽が沈むまで採集魂に火を焚べる。
PM 4:00
記したポイントは干上がりが続き、
子供達は完全に諦めてしまった。
私のポイント選定に
問題があると自己嫌悪に陥りながら、
車から降りてその地を覗くと、
水位はとても低いながらも
少しばかり残った水面を見て歩いた。
遠目からも水面に動きがあり、
アメンボの波紋に目を取られながら
立ち止まり、正円を描く波紋に
目を奪われ、その瞬間身体が震えた。

双子の名前を大きな声で叫び、

ゲンゴロウが居ると叫ぶと
生気を取り戻した子供達が
駆け寄ってくる。

私が子供の頃から
採集願望に駆られた
ナミゲンゴロウが目の前にいる。
感動しながらその姿を
観察していると、
長男が走り寄り、私が指した
方向に目を向け網を入れた。
掬い上げた網の中の
ナミゲンゴロウを夢中で撮影した。



遅れて到着した次男が網を覗き、
3人でハイタッチをしたその音は、
大きくその地に鳴り響いた。
車に戻り、リンクさせて頂いている
クワデリさんから頂いた
お魚観察ケースに採集した
ナミゲンゴロウを入れて観察する。

前脚の形状から♀と判り、
それでは婿殿を探しに行こうと
採集意欲が戻った子供達と共に
再び採集地に戻った。
然し乍ら子供達から絶叫は聞こえず、
私も追加には至らなかった。
この地を徹底的に探そうと
車を走らせるも、水が干上がった
場所ばかりで話にならない。
それならばとこの辺りにマークした
池を探そうと、車を走らせた。
分厚い雲が夕陽を隠し、
薄暗くなる中辿り着いた池は、

水面に波紋の無い
所謂死んだ池であった。
車に戻り、ドアを閉めようと
ふと目が留まったのは

コクワガタ♂であった。
目が合ったねとドアを閉め、
次なる池を目指した。
恐らく時間的にも
最後のポイントとなる場所に
30分掛けて車を走らせた。
子供達にフラッシュライトを渡し、
田圃の上流にあるマーキングポイントに
到着し、その様に膝をついた。
「池の水、全部抜かれてる。」
この台詞に3人爆笑し、
PM 6:30
本日の採集に終止符を打った。
子供達は採集した
ナミゲンゴロウを車中で交互に持ち、
悲願だった採集達成の
余韻に浸っていた。
空腹である事に気付き、
夕飯を平らげ、近くのスーパー銭湯にて
汗を流し、家路を急いだ。
前日の睡眠不足と
採集疲労から簡単に睡魔が召喚され、
最寄りのSAで仮眠を取りながら
2017.9.24
AM 2:10
我が家に到着し、
子供達を寝かせ、
独り第3のビールで祝杯を上げた。
今回目標を掲げた美脚ブラックである
ヒメオオクワガタの採集と、
池のエメラルドである
ナミゲンゴロウを採集し、
二大ヘッドライナー採集は
1頭ずつと少数ながら完遂となった。
また、2017.4.23にタガメ採集から始まった
Aqua gangster quest は5ヶ月後に
タガメとナミゲンゴロウを採集し終え、
悲願達成となった。
子供の頃から探し求めていた種に、
採集というカテゴリーではあるが
自身で感動してしまった。
諦めずに追い求める姿、
それを息子達に見せられた事を
大きな収穫とし、息子達の中間テスト後に
婿殿探しを計画する。
※オークションにて出品中


