脆弱幼体
バタバタと息を引き取っていく。

成虫からは想像を絶する
脆弱ぶりに驚きを隠せない。
開いた口を塞ぎ、
亡くなる要因を挙げていく。
飼育ケースは集合ケースにて
管理していたが、水質劣化すると
全体を交換しなければならない事と、
もしかしたらこのスペースに
問題があるのではないか。
また酸素量も怪しく、
餌のヌマエビにも問題が
あるのではないか。
水位は適正なのか。
これらを理由に
幼体飼育の見直しを図る事にした。
先ずは生き餌。
タガメ初令に対して
最適な餌はメダカと考え、
夜ならライトを照射すれば
見つけられると網を持ち、
急いでヌマエビが多く生息する地へと
車に乗り込んだ。
vivids ssp.駐車場に
カエルの鳴き声が鳴り響く。
もしかすると、近場で
生き餌を捕獲出来るのではないか。
車のハンドルをヌマエビ地帯とは
反対に切り、良さそうな水路を見つけ、
停車させた。
小雨降る中、
その水路にライトを当てると、

メダカらしき姿を捉えた。
網で掬い上げると、

網目の間隔が広い為、
小型なものは網をすり抜けてしまうが、
掬う網を素早く動かす事で
何とか陸に上げた。
この動作を繰り返し行い、

vivids ssp.から僅か30秒の地で
求めていた生き餌を確保した。
集合ケースを撤廃し、
個別プリンカップにて
足場となる草を投入し、
メダカが泳げる最低水位を築く。
新たな環境に投入していると、
1匹ステータスを上げ、
横縞を卒業した個体を確認した。

孵化したと思われる金曜日から
数えると、5日で2令に脱皮した事になる。
他個体に変化はなく、
18匹いた個体は7匹まで
数を減らした。

脆弱すぎるタガメ幼体に対し、
果たして成虫までステータスを
上げる事は出来るのか。
趣向を凝らしていると、
卵塊に目がいく。

孵化以来持ち場を離れていた
♂が再び卵塊を護っていた。
孵化していない卵に
動きがあるのか。
興味が尽きない本種に
目が釘付けとなる。
※オークションにて出品中


