色事の果て
1週間となる。

♂が持ち場を離れるのは
珍しい。
何処にいるのかと
探すと、

まだ産むのか、
交尾の最中であった。

同じ♂との交尾で
二つ目の卵塊がもし現れたら、
果たして♂はどちらを護るのか。
そんな疑問を抱きながら
飼育作業後、再び確認すると、

♀が大きな腕を使い
♂を掴み、襲いかかっていた。
色情の果て、
資産を略奪する絵図とはこの事だと
目の当たりにし、
卵塊を護る健気な♂の姿が
目に浮かび、この自然界の
殺害シーンに割って入った。
♀を取り出すと、
♂は一度水中に身体を
浸した後、急いで持ち場に戻った。

よく観察すると
口吻を細かに動かしていた。
これが水分調整なのか。
♂の姿はとても献身的であり、
卵塊を護る姿はとても男らしい。
卵が膨らんで見え、
孵化は目前と思われる。
横縞な幼体が見られるよう、
孵化ステージを用意する事とする。
※オークションにて出品中


