原点ダイヤモンド
私が初めてオオクワガタを採集したのは
小学校6年生だった。
その場所は同級生の女の子の父親が蝶に詳しく、
私がクワガタに没頭している事から手書きの地図を書いて
渡してくれた場所であった。
その場所にオオクワガタがいる事など
その方も知らずに。
5年生の頃から夏の週末には友達と二人で電車に乗り、
その場所まで歩き、
採集して終電に乗って帰ってくるという生活をしていた。
6年生になり、蒸し暑い6月中旬にいつものように
採集ポイントに向かうと一人の男性がクヌギの木の前に立っていた。
その男性の手には図鑑や本で穴が開くほど眺めた
オオクワガタがいた。
肉眼で初めて見たオオクワガタに興奮し、
その樹を再度見回すと、
私の頭より少し上の方からヒョコヒョコ歩いてくる
もう一匹の黒光りした大型のクワガタを見つけ、
手を伸ばした。
その手の中には生まれて初めて手にする
憧れ続けたオオクワガタがいた。
それが昨日の記事にした、
62.8mmの右隣の個体だ。

その男性はトヨタ関係の仕事をされていた
当時20歳ぐらいの青年だった。
その方と採集の話で盛り上がり、
オオクワガタの標本が飾ってある事から
私が当時通っていた名古屋昆虫館の存在を紹介した。
帰りはその青年の車に乗せてもらい、
駅まで送って頂き辞去した。
数ヵ月後、
私が休日に名古屋昆虫館にいたところ
その青年が偶然現れ、再会に感激し、
次回の採集の際は誘って頂くよう強く強請り、
住所と電話番号を交換し別れを告げた。
私がバイブルとしていた本、
確か吉田賢治氏や山口進氏らが書かれた本には、
今でこそ有名なオオクワガタの
産地が簡易的な地図で記載されていた。
山梨県の日野春周辺、
能勢の妙見山周辺、
九州地区の筑後川流域、
岡山県倉敷市等が書かれていた。
その場所に行ってみたいという
強い希望をその青年にぶつけると、
私の夏休みに合わせ休暇を取得してくれ、
山梨県に車を走らせた。
初めて見る台場クヌギは東海地方にはない逞しさがあり、
甲虫の群がる多さ、
初めて見るオオムラサキに唯々感動した。
滞在期間中は車で寝泊まりをしながら、
山梨県明野村で採集に至った。
私自身、
高校生頃から採集・飼育から離れていき、
お会いする機会も徐々に減っていった。
私が高校3年生の時にトヨタ関係の仕事を
退職されると言い、挨拶でわざわざ家まで来てくれた。
その後、
実家である徳島に戻られてからはお会いしていない。
この標本の中のオオクワガタを見ると
その青年の顔が浮かび、
あの頃の思い出を語りながら話がしたいと
強く胸が締め付けられる。



小学校6年生だった。
その場所は同級生の女の子の父親が蝶に詳しく、
私がクワガタに没頭している事から手書きの地図を書いて
渡してくれた場所であった。
その場所にオオクワガタがいる事など
その方も知らずに。
5年生の頃から夏の週末には友達と二人で電車に乗り、
その場所まで歩き、
採集して終電に乗って帰ってくるという生活をしていた。
6年生になり、蒸し暑い6月中旬にいつものように
採集ポイントに向かうと一人の男性がクヌギの木の前に立っていた。
その男性の手には図鑑や本で穴が開くほど眺めた
オオクワガタがいた。
肉眼で初めて見たオオクワガタに興奮し、
その樹を再度見回すと、
私の頭より少し上の方からヒョコヒョコ歩いてくる
もう一匹の黒光りした大型のクワガタを見つけ、
手を伸ばした。
その手の中には生まれて初めて手にする
憧れ続けたオオクワガタがいた。
それが昨日の記事にした、
62.8mmの右隣の個体だ。

その男性はトヨタ関係の仕事をされていた
当時20歳ぐらいの青年だった。
その方と採集の話で盛り上がり、
オオクワガタの標本が飾ってある事から
私が当時通っていた名古屋昆虫館の存在を紹介した。
帰りはその青年の車に乗せてもらい、
駅まで送って頂き辞去した。
数ヵ月後、
私が休日に名古屋昆虫館にいたところ
その青年が偶然現れ、再会に感激し、
次回の採集の際は誘って頂くよう強く強請り、
住所と電話番号を交換し別れを告げた。
私がバイブルとしていた本、
確か吉田賢治氏や山口進氏らが書かれた本には、
今でこそ有名なオオクワガタの
産地が簡易的な地図で記載されていた。
山梨県の日野春周辺、
能勢の妙見山周辺、
九州地区の筑後川流域、
岡山県倉敷市等が書かれていた。
その場所に行ってみたいという
強い希望をその青年にぶつけると、
私の夏休みに合わせ休暇を取得してくれ、
山梨県に車を走らせた。
初めて見る台場クヌギは東海地方にはない逞しさがあり、
甲虫の群がる多さ、
初めて見るオオムラサキに唯々感動した。
滞在期間中は車で寝泊まりをしながら、
山梨県明野村で採集に至った。
私自身、
高校生頃から採集・飼育から離れていき、
お会いする機会も徐々に減っていった。
私が高校3年生の時にトヨタ関係の仕事を
退職されると言い、挨拶でわざわざ家まで来てくれた。
その後、
実家である徳島に戻られてからはお会いしていない。
この標本の中のオオクワガタを見ると
その青年の顔が浮かび、
あの頃の思い出を語りながら話がしたいと
強く胸が締め付けられる。



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